父の指先♬

篆書という書体をご存知でしょうか?

実印などに使われる書体です。
お稽古に見える方は、みなさん書いてみたい「憧れ」の書体だとおっしゃいます。

で、みなさんフツーにお書きになっていらっしゃいます(笑)

 

書けば書ける。

 

綺麗に書くとか本格的に練習するのとは別のことですが、やってみればそれっぽい雰囲気にはなってまいります。
それを繰り返して行くと本格的になって行くのです

 

呉譲之

これは本格的な練習です
どういう練習かというと
まず、篆書を書く練習
そして臨書(りんしょ)という昔の手本を模倣する練習

左側にあるのが昔の人の書いたもので
それを手本にいたします

他の書体で臨書の練習をしますが
最近力を入れているのがこの「呉譲之(ごじょうし)という人の書いたものの臨書です

 

実は私、これが大っ嫌いでした

ほんの少し前まで
そう2年ぐらい前まで

本当のことを言えば5年ぐらい前まで篆書もあまり好きではありませんでした

お伝えするために必要に迫られて練習をしている状態でした

 

父が筆で文字を書いていた頃
その手先を父にはわからないように見ているのが好きでした

父には何かと心の中で反発しておりましたので

(師匠なので正面切ってはなかなか口ごたえもできませんでした)
「拝見させてください」
とはなんだか言えないのです

あ、基本父にはいつも敬語です
これは師弟関係が最優先ですから
家では常識でした

 

その父が書いている手元でも
特に篆書の線はいつも惚れ惚れするほど滑らかで心地よいものでした

それをふとした拍子にまるで目の前に見えるように
書いている時の父の指先を思い出しました

そしてそれを真似て書いて見ました
思い通りに行くわけではないですが
父があの頃書いていた時に何を考えながら書いていたんだろう
などと思い巡らして見たりして

 

それから篆書が好きになり
父によく添削してもらっていた呉譲之にはまってしまったのです

書き出してみたら
これ好きだったな

と改めて思ったりして

 

思い込んでいることは案外壁を作っているものですね

 

好きは素敵です

 

お稽古に見える方も
憧れの書体!と最初から言えるのはすごいな〜💓
と思いますが
書けば書ける
そして書かなきゃ書けないわけです

 

あなたはどんな書体が書いて見たいのでしょう?

 

 

 

 

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